働くサラリーウーマンあんの

あんのです。賢くお得に生きたい生活者として、また長年企業で働く会社員として、そして女性としての目線で、日々の暮らしや仕事でふと感じたり、困ったり、こんなものがあればいいのに!と思ったことを綴ります

働き方改革で、企業力が落ちてしまっては元も子もない

2000年代初期、企業はナレッジマネジメントブームで「タバコ部屋の理論」という言葉がよく使われていた。

当時私の所属部門では管理職の8割が喫煙者で、彼ら(ほぼ男性)は頻繁にタバコ部屋でたむろっていた。言い分はこうだった。喫煙室でたまたま一緒になった人たちと有効な情報の共有が行われるから有意義なのだ、と。

これを「タバコ部屋の理論」と呼ぶ。要するに井戸端会議ね。

実際そこでは、普通会えないお偉方と仲良くなれたり、何やら政治的なことが決まったりもしていた。本当に業務上有効な話がされていたかどうかはさておき、喫煙室という空間がコミュニケーションの場としてひと役買っていたことは事実のよう。

そんなのタバコ吸わない人間に不利だ、それならコーヒーを飲める禁煙リラックスルームも作るべきだ!と不満に思っていたものだ。

あれから時が過ぎ、タバコ部屋は撤去され、喫煙者も減り、今は昔になっている。

喫煙行動の有無による業務上の不公平は今も同意できない。ただ、そのコミュニケーションの有効性は理解できる。「近くにいて、たまたま顔を合わせる」ことは、やはり無視できない面があると思うから。

現在、テレワーク環境が整い、残業代を減らすため(失礼!ワークライフバランス実現のため)に外出先への直行直帰が奨励されたりして、同じ部でも皆が揃う機会が激減している。特に営業職は顕著だ。

すると今度は、こんなことが起こるようになったと聞いた。

特に新人や若手が、ささいなこと程度では忙しい上司や先輩に外からわざわざ連絡をとるのをためらい、軽く確認・報告しておけば何でもなかったことが、後々問題を引き起こしたり、業務を遅延させたりということが多発している、と。
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明確な質問・明らかな問題なら新人も言われずとも行動する。上司だけでなく、回答してくれる社内支援組織やWebシステムもある。

でも、そこまでのことではない「あ、そうそう、××って何か知ってる?」とか「ねぇ××ってどうやるんだっけ?」といった感じの、周辺の人との軽い雑談で解決していたレベルのことで、わざわざ電話やメールはしないし日報にも書かない。社内SNS発信も何だし…そして、そのまま忘れて放っておく。

経験が浅いと、それが後々トラブルにつながる可能性だと気づかない場合もある。

雑談をたまたま漏れ聞いた誰かがひと言フォローするといった、物理的に近くにいる状況が自然発生的に、一種のリスクマネジメントの役割を担っていた側面を否定できない。

上司側も、部下と顔を合わせないから何も察知せず、忙しさにかまけ自らフォローもしない

皆の行動時間といる場所が異なるから「ちょっと軽く行こうか?」という飲みの場も減った。

かくして企業内で、人と人による、ちょっとした情報や知識の共有・問題解決の場などが、気づかぬうちに徐々に減っている。これでは部や課といった組織設計のメリットを十分享受できていない。

最近は自主的に、あえて全員集まる日を設ける部門や、上司に会うために帰社する人が出だしたという。

もちろん、集中したい時、自己完結できる業務などには、テレワークや集中できる環境がとても有効。育児や介護など多様な働き方のためにもそれは不可欠。

でも一方で、会議のような場だけでなく、インフォーマルなリアルコミュニケーションのとれる場も何か作り出さないと、「働き方改革」の名のもと、組織や企業の力が弱くなってしまっては元も子もないのでは?と感じることもある今日この頃です。

あんのでした。